なぜ配信3ヶ月でサービス終了のスマホゲームアプリが作られてしまうのか?
サービス開始したばかりなのに、なぜ短期間でサービス終了をしてしまうのか?
配信開始から3ヶ月、6ヶ月といった短期間でサービス終了するならば、最初から配信なんてしなければいいのに・・・・
すごく自然な意見だと思います。
でも、短期間でサービス終了してしまうゲームは後を立ちません。
1年間頑張ってサービス終了に至るゲームアプリと
わずか3ヶ月でサービス終了に至るゲームでは大きな違いがあります。
なぜ、なぜ配信3ヶ月でサービス終了のスマホオンラインゲームが作られてしまうのか?
その原因について深掘りします。
ゲームが未完成の状態で配信されてしまうから
そもそも短期間でゲームがサービス終了してしまう大きな原因は、そのゲームのサービスを継続する上で、継続できない理由があるためです。
遊んでいるユーザーが多いけど売り上げが上がらないだけなら、サービスを継続しながら改善することができます。でも、それができず短期間でサービス終了になってしまうには、別の原因があるのです。
取りきれない致命的バグ残存
ゲームプレイの障害になる「バグ」は配信前に取り切っておくのが大前提になりますが、ゲームの中には
取りきれない、取り切るには大幅な改修が必要な致命的なバグを抱えたまま配信してしまう場合があります。
致命的なバグの存在をわかっていて配信してしまったのか?
配信後に判明したのか?
それはケースバイケースなのですが、その多くはバグというより設計上の問題に起因するものが多いかもしれません。
コンテンツ不足
サービスが早期に終了してしまうゲームの特徴として圧倒的なコンテンツ不足も原因として挙げられます。
3ヶ月は持つと想定して用意していたコンテンツが僅か1週間で遊び尽くされてしまった・・・・
というような、ありえないような事が現実には起こるわけです。
この原因は単純に
「3ヶ月は持つと想定していた人の想定の甘さ」に他なりません。
ここから新規にコンテンツを追加しても3ヶ月かかるので、ならばサービスを終了してしまおう、という判断をするわけです。
ゲームとして作り込み不足
ゲームとしてそもそも作り込み不足で「あまりにも面白くない」というケースもあります。
作り込み不足というか、作りきれていないケースもありますし
作りきれているケースでも、ゲームとして求められる面白さが全然考慮されていない「作り手としてのあまりにもの未熟さ」が原因である場合もあります
ゲームレベルデザイン欠陥
RPGならレベルが上がると敵のレベルも上がって、それを倒して達成感があって、どんどんキャラクターを育成してストーリーを進めていく・・・・
みたいなゲームレベルデザインが重要になります。
しかし、そんなゲームレベルデザインが破綻しているゲームもよく見かけます。
作った人、本当にちゃんと遊んでいるの?
みたいなゲームが普通に配信されちゃったりするわけです。
収益性が全く見込めないゲームシステム
実際にゲームを作ってみたものの、このゲームシステムじゃ全然課金が回らないよね。
全然、お金を使う場所もないし、課金するモチベーションも上がらないよね
みたいなゲームも存在します。
マネタイズとかプレイヤーのやる気とか、課金したいタイミングとか、課金アイテムとか、そういったものが全然、考えられていないようなケースです。
壊れキャラの存在
これは実際にあった話!?なのですが、
「事前登録するとSSRのキャラを1体もらえる!!」
みたいなキャンペーンとか見かけますよね。
事前登録でもらったSSRキャラだけで、全部のステージをクリアできちゃった・・・
みたいなことが実際に起こりうるわけですよ。
もう課金とかしなくてもいいわけです。
このように「壊れキャラ」を作ってしまうとサービス継続ができなくなってしまうこともあります。今さら事前登録で配布したSSRキャラを無かったことにするわけにもいかず。
なぜゲームが未完成の状態で配信されてしまうのか?
ゲーム会社はあくまでもビジネスとしてゲームを開発し、配信します。別にボランティアをやっているわけではないのです。
それなのに、未完成の状態でなぜゲームが配信されてしまうのでしょうか?ここにも様々な原因が存在します。
会社都合の配信日設定
開発現場からすると、年内配信は絶対に無理!だけど
会社都合で年内に配信しないと会社としてヤバい!
みたいなことがあったりします。
その結果、無理矢理、未完成だけど年内にゲームを配信して無事に大爆死してサービス終了になるようなケースは結構あります。
予算不足
3億円かけないと絶対に完成しないようなゲーム企画だけど、1億円でなんとか開発して!
みたいなケースもあります。
これは極端な話なので、実際にはここまで3億かかるものを1億で開発しよう!みたいなことはないのですが、これに近いケースは実際にあるので未完成な状態でゲームが配信されてしまうのです。
そもそもの開発能力不足
ゲーム開発会社が2社あったとしましょう。
1億円かけてA社が開発できるものと、B社が開発できるものは必ずしもイコールではないのです。つまり、できる奴が使う1億円と無能な奴が使う1億円では完成してきたゲーム内容が違うという話ですね。
そもそも開発能力に問題があるケースも未完成なゲームを作ってしまう原因となります。
開発ディレクション能力不足
開発能力は問題なくても、それを指示する開発ディレクターみたいな人の能力が問題でうまく開発が進まないこともあります。
昨日、話したことと、今日、言っていることが180%違う!みたいな感じです。
実際にはそこまで酷いケースはレアですけど、それに近いことが現場では起こっています。
未完成であることをわかっていながら修正しない
これはちょっと問題があるんですけど、ゲーム自体が未完成なことをわかっているのに、それを修正しないでゲームを配信してしまうといったケースもあります。
修正できない理由はいろいろありますが、わかっていて修正しないわけですから、サービス終了になることもわかっているので、いわゆる確信犯に近い部分はあるかもしれません。
未完成であることを自覚していない
一方で、未完成なゲームであることを自覚していないケースもあります。
明らかに未完成なのに
このゲームの完成度はバッチリだ!
みたいな感じで自信を持って配信してしまうようなことが実際にあります。
いわゆる自分自身を客観的に観察できていない、判断能力が欠如している強度の自信家というわけです。
どうすればゲームを未完成の状態で配信してしまうことを回避できるか
ならばどうすればゲームを未完成の状態で配信することを回避できるのか?
実は方法は結構あるのですが、あまり現場では実施されていません。
配信前にシミュレーションテストを行う
実はゲーム配信前に事前にシミュレーションテストを行うことで、多くの課題は解決することができます。テストを実施していれば3ヶ月でサービス終了するようなことは、ほぼありません。
でも多くの短期サービス終了ゲームは、そんなテストなんてしません。
テストは面倒ですし、手間がかかりますし
テストの結果がどうであれ、そんな意見なんて聞かないよ
みたいな現場も実際に存在します。
配信前にテストをしましょう。そうすれば確実に3ヶ月でサービス終了するようなことは回避できます。
ユーザー目線を持った人がゲーム開発をする
ゲーム開発をしているからゲームユーザー目線を持っているかというと、それは違います。むしろユーザー視点とかけ離れているクリエイターも多いのです。
「ユーザー目線を持った人がゲーム開発をする」
それだけでサービス終了は回避できます。
簡単なことではないのですが、できないことではありません。
会社の経営都合だけでジャッジをしない
ゲーム事業はあくまでもビジネスです。ですから会社の経営層のジャッジは絶対的な力を持ちます。
でも、会社の経営都合だけでジャッジすると、大きな間違いを犯してしまいがちです。
会社の経営都合だけでジャッジしない。
これだけで、結構、改善します。
身の丈にあったゲーム開発を行う
中小規模のゲーム会社なのに、超大作のRPGを作ろう!
というのは無理があります。
お金、開発力、運営力、経験値、全てにおいて圧倒的に足りていません。まずは自分の会社の得意とするゲームジャンルで、身の丈にあったゲーム開発規模でゲーム事業を進めましょう。
作りたいものを作るのではなく、ユーザーが遊びたいものを作る
最後に重要なのは、最終的に大切なのは
ユーザーが楽しんでくれるか?どうか?
です。
どうしてもゲーム開発をしていると自分が作りたいゲームを作ってしまいがちです。でもゲーム開発をする人が世の中を全て知り尽くしているわけではないですし、未来を予測できるわけでもありません。
大切なのは作り手の思いではなく、遊び手の満足度です。
まとめ
配信3ヶ月でサービス終了してしまうゲーム会社そのものに構造的な問題あります。
そんな会社に転職して働くことは不幸になること間違いありません。
もし、ゲーム会社への就職や転職を考えているならば、ゲーム会社を選ぶ際には、そのゲーム会社のゲーム開発やゲーム運営を客観的に観察してみましょう。
そこからわかることは結構あります。
週間記事ランキング