ゲーム会社で働いている人が必ずしもゲーム好きとは限らない理由(むしろゲームに興味ないかも!?)
ゲーム会社で働いている人はゲームが好きなはずだ!
だからゲームが好きで詳しくないとゲーム会社では働けないはずだ!
そういうイメージがあるかもしれません。
なぜならゲームが好きな人ほどゲーム会社で働きたいと思い、なんとかして入社しようと思うからです。でも現実的にはちょっと違います。
「ゲーム会社で働いている人は必ずしもゲームが好きとは限らない」
「ゲームが好きでゲーム会社で働きたいと思う人が必ずしもゲーム会社で働けるわけではない」
という現実があるのです。
なんか悲しい話ですよね。
これは実際にゲーム会社で働いてみるとわかるのですが
ゲーム会社にもよりますし、ゲーム会社内の部門にもよるのですが
「働いている人の多くはゲームに興味ない人もいますし」
「ゲームなんて知らないし、ちょっと触って遊んでいるだけでゲームを知ったふりをしている人もいます」
これによって何が起こっているのか?
ゲームプロデューサーと言われる人はゲームなんて好きじゃない、ユーザー目線も持っていない、ただの職業として働いて、ゲームプロデューサーという肩書きを名乗っている人もたくさんいるのです。
一方でゲームが好きで、好きで仕方ない人もいます。
ゲームが好きで仕方なくて、命を削ってゲームを作っている人と
ゲームはあくまでも仕事で、お金を稼ぐための目的で、今をやり過ごせればそれでいいという人
こんな人がゲーム会社には同居しています。
これによって悲しい出来事も起きています。
例えばゲームのことなんてよくわからない無能なゲームプロデューサーという肩書きの人が、ゲーム好きな、ゲームに人生をかけている人々を掻き回した結果、
ゲームに人生を賭けている人の貴重な時間を奪い
その結果、どうしようにもないゲームが完成してしまうケースは事例を挙げれば無数にあります。
なぜ、このような状況が起きているのか?
その理由を解説します。
ゲーム会社は大企業であり、高学歴の人が優位である
現在はゲーム会社は人気の会社であり、数々の有名企業も存在しますが
その昔、今から何十年も前の時代ですが
ゲーム会社は就職先として不人気の時代がありました。
息子がゲーム会社に入るといったら、親は泣いたそうです。
「なぜ、ここまで育ててゲーム会社なんていう、ところに入るんだ」
それだけゲームというものが社会的地位がなかった時代があったわけです。
しかし時代は変わりました。
今となってはゲームか会社は高収入、高学歴、そこで働くことがステータスになるくらいに変わったわけです。ゲーム会社がプロ野球球団を持つようなくらいですから、以前に比べると社会的地位も上がったわけですね。
社会的地位が上がると、高学歴の新卒が続々と応募するようになります。
それまでは「ゲームが好きなだけ」で入社できていたゲーム会社も
東大、京大の新卒と競うようになると到底敵うわけありません。企業としても特別な能力がある人を除いて一般入社においては、低学歴の人よりも東大、京大を採用するわけです。
(東大に限らず私立の上位大学も該当しますが)
しかし、彼らは頭が良いだけで、ゲームが好きではないのです。
厳密にはゲームをしたことはあります。
でも、ゲームユーザーではないので、ゲームユーザー視点で物事は語れません。
でも抜群に頭はいいわけです。
ゲームってエンタメです。エンタメは感情で動くものです。
頭が良いだけで人々の感情を動かすエンタメは作れません。
これはゲーム会社に勤めている人で、本気でゲームを好きな人、ゲームで世界を変えたい!と思っている人ならわかっています。
なぜなら、ゲームの歴史は頭が良い人が作ったのではなく、ただ無心に、面白さを追求した結果、ゲームの歴史は作られてきたからです。
でもゲーム会社は今となっては普通の大企業になってしまいました。
そしてその大企業を経営者はゲーム好きというよりも、ただの一般企業の経営者であり、コンサルや、銀行、官庁出身のゲームやエンタメとは関係ない人なのです。
結果的に高学歴の頭が良い人が優先されて採用されているのが、今のゲーム会社なのです。
もちろん、それではまずい、面白いゲームは作れないことに気づいているからこそ、ゲーム経験者を中途で積極的に採用している事実もあります。
でもゲーム経験者を採用しても、その上で管理者として君臨するのはゲームなんて興味もないし、ゲームのプロとは言えない高学歴な素人なのです。
ただの金儲けに過ぎないゲーム会社が増えている
そもそもゲームってリスクが高い事業でした。
良くても、ハイリスク、ミドルリターン
くらいのビジネスだったわけです。
しかし、2010年代に入ってスマホゲームが登場すると状況は一変しました。
家庭用ゲームでは到底考えられないほどの、利益がスマホでは瞬間に稼げて、しかもその状態が続くということが分かったのです。いわゆるジャパニーズドリーム的なものがスマホゲームの初期にはありました。
その結果、何が起こったのか?
多くのゲーム会社は家庭用ゲームからスマホゲームにシフトしたわけです。
(最近はスマホゲームが厳しくなったことで、家庭用ゲームへの寄り戻しも増えていますが)
初期のスマホゲームの時代においては、とにかく儲かりました。
1本ヒットが出ると、それだけで食べていけて、莫大なお金が手に入ったわけです。よって、これまで家庭用ゲームソフトでしっかりゲームを作って、ゲームを売っていくという誠実なビジネスから、スマホゲームのガチャでどうやってお金を回収するか?ユーザーにお金を使わせるのか?
といった意識にだんだん変わっていきました。
これによってゲームビジネスは、エンタメとか面白さとかではなく
どうやって金儲けをするのか?
どうやればお金を使ってくれるのか?
という発想に染まっていったのです。
この傾向は以前と比べると、多少なりとも改善しつつありますが、現在においても基本路線は変わっていません。まぁ、ただの金儲けしか考えないようなゲーム会社は、今後、生き残れないのは明確なのですが、まだそこに気づいていない会社も多いのです。
経営層はゲームなんて興味がないし、ゲームのこともわからない
ゲーム会社の経営者は3種類に分かれます。
「自らゲーム開発をして経営者になった人」
「たまたま、当たった事業がゲームだった人」
「ゲーム会社が大きくなるにつれて外部から連れてこられた経営のプロ」
ゲーム好きでゲーム会社経営をしている人は国内においてレアと言えるでしょう。
ゆえに、ゲームのことなんてわからないし、興味がありません。
ただ会社経営をして、会社を大きくすること、お金を稼ぐこと、社会的地位を手に入れることだけにしか興味がない人も多いのです。
これは本気でゲームで世界を変えたい!と思っているゲームクリエイターからすると、悲しいですし、腹立たしい話です。でもこれが現実なのです。
経営者はゲームについてわかりません。でも経営者としてゲーム開発に口を出すわけです。
ゲームの面白さがわからない人がゲーム開発やその内容に口を出すわけですから、大きな間違いが後を経ちません。でもその間違いを尻拭いするのは経営者ではなく現場なのです。
ゲームに興味がないから、ゲーム以外の会社に転職するし、転職すればゲームはしない
ゲーム会社で働いている人の多くはゲームに興味がない
という話をしましたが、もちろんゲームに人生をかけている人もたくさんいます。
しかし、ゲーム事業の決裁権や人事権、管理職などは必ずしもゲームに人生をかけているわけではありません。そして、そういった人の下で働く人も同じです。
わかりやすい例を挙げると
ゲームになんて興味がないから、キャリアアップの転職をする上で別にゲーム会社である必要はないと考える人が多いのです。
むしろ積極的に非ゲーム会社を選んで転職する人もいます。なぜなら給料がアップするからです。
でも、それまでその人はゲームプロデューサーとかいう肩書きを持っていたわけです。でもそれはあくまでもビジネス上の肩書きであって、別の業界になんの躊躇もなく転職をしていきます。
そして転職すればゲームなんて、もう遊ばないし、興味も湧かないのです。
そんなゲーム業界を変えてくれる人を絶賛募集中
ここまでの話を聞いてみて、
ゲームに人生をかけたい!と思うくらいに熱い想いを持っている皆さんはどう感じましたか?
そんな熱い想いを持っていても、ゲーム業界を変えられないと思ったかもしれません。
実際のところ、どのゲーム会社に入るかによってもバラバラですが、普通に熱い想いを持っていてもゲーム業界を変えることは難しいのです。
でも、ちょっとばかり視点を変えてみましょう。
それだけゲームなんて興味がない人がゲーム会社で働いているとすれば
皆さんのゲームに対する熱い想いはかなりの強い武器になります。
なぜなら
「従来のなんちゃってゲーム業界人では、もう戦えない状況が明確だからです」
すでに始まっているのですが
スマホゲームはこれから大きな市場淘汰が進みます。
売れるゲームと、売れない、話にならないゲームがさらに二極化していくのです。
なぜならスマホゲームは一般スマホユーザー向けの遊びから、家庭用ゲームに匹敵するほどのゲーマー向けの遊びに変わりつつあるからです。
よって、「仕事上のゲーム好き」ではもう戦いにならない時代になっています。
そんな中で、皆さんのゲームに対する熱い想いは、これからの時代で大きな武器になります。
「ゲームから世界を変えたい」
「次の時代のゲームを作りたい」
「金儲けのゲームではなく、エンタメとしてのゲームを作りたい」
そんな、ゲーム業界を変えてくれる人材が、今、求められているのです。
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