スマホゲームアプリがサービス終了になる本当の理由
遊んでいたゲームアプリが突然サービス終了
そんな経験をした人も多いはず。
熱心に遊んで課金もしているユーザー視点からすると、なぜ、自分が遊んでいるゲームがサービス終了になるのか、信じられない人もいるでしょう。
しかし、その一方で
「運用型スマホゲームは必ず終わりがあるゲーム」
であり、永遠にサービスが続く保証はないのです。
どんなにTVCMを流している人気のゲームであってもスマホゲームは終わりがあります。
実際に多くのスマホゲームがサービス終了していますし
今、何年も続いているスマホゲームもこれから5年、10年続く保証はないのです。
これはスマホゲームに限った話ではなく、PCオンラインゲーム、PS4、ニンテンドースイッチの基本プレイ無料のオンラインゲームにも言えることです。
パッケージ販売、セル販売のゲームでない限り、運用型ゲームには理論上、必ずサービス終了があります。
ただ各ゲームによって、時間軸が異なるだけに過ぎません。
配信1週間でサービス終了になるか、配信10年を経過してもまだ続いているけど、11年目にサービス終了になるか、ただ、それだけの違いです。
なぜ、スマホゲームアプリはサービス終了になるのか?
その本当の理由を解説します。
突然のサービス終了は少ない・ほとんどは予定されたサービス終了である
ゲームを遊んでいる本人からすると、青天の霹靂のような突然のサービス終了のお知らせかもしれませんが
長期に渡って運営しているゲームほど、突然のサービス終了というのはありません。
ほとんどは半年以上前に判断されスケジュールが組まれたサービス終了なのです。
なぜならスマホゲームの場合はゲーム内通貨を購入する仕組みになっているため、未使用のゲーム内通貨は資金決済法によってユーザーに返却しなければならないためです。
よって、返却にあたってスケジュールを組んでサービス終了を行う必要があるため、急にサービス終了を決定して、すぐサービス終了するわけにはいかないのです。
実際のところ大手のゲーム会社ほど、ちゃんとスケジュールを計画してサービス終了をします。なぜなら、資金決済法を無視すると会社の信用に関わるからです
実際のサービス終了においては様々な理由があります。
また、その理由は「サービス経過1年以上」と「サービス直後」において異なります。ひとつずつ説明していきましょう。
ゲームアプリサービス経過1年以上
サービスを続けても利益の見込みがないと判断したとき
ゲーム事業は開発費を回収することが目的ではありません。
ゲーム開発費をリクープ(投資を回収すること)がゲーム事業の目的と勘違いしている人もいますが間違いです。
ゲーム初期開発費、追加開発費、運営費、宣伝費、それ以外のゲームサービスを続行するための費用(人件費や許諾費用、バグチェック費用など)を合算したコストを100とした場合に対して、
売上ではなく、利益が120、140と超えている状態が、今この瞬間だけではなく、将来において見込めた上に、最終的にこのゲームを継続運営して儲かるのか?が重要になります。
現在、赤字でも将来的に利益になるならサービスは継続しますが、利益の見込みが立たない場合ばサービス終了となります。
投資に対する利益が少ないと判断したとき
ゲーム初期開発費、追加開発費、運営費、宣伝費、それ以外のゲームサービスを続行するための費用(人件費や許諾費用、バグチェック費用など)を合算したコストを100とした場合に対して、
売上ではなく利益が120あったとしても、この120をどう見るのかはゲーム会社の判断になります。
100円の投資をして、120円になって戻ってくる
つまり20円儲かるわけですが、100円という投資に対して
たった20円しか儲からないのか?
と考えるのか
なんと、20円も儲かるのか?
と考えるのか?
これはゲーム会社のビジネスに対する投資基準によります。
つまり、20円儲かっていても、サービスを終了する場合もあるのです。
一方で、20円儲かっていると永遠にサービスを続けられる、続けたいと思うゲーム会社も存在します。
限られた開発リソースを他の新規タイトルに集中させたいとき
100円の投資に対して、たった20円しか儲からないゲームがあるとします。
でも、そのために100人の人員を雇っているとしましょう。
しかし、これから開発予定の新作ゲームは同じ100人を使うことで50円も儲かるとするならば、いまサービス中のゲームはサービス終了にしてしまい、そこの人員を全部、新作ゲームに投入するという判断もありえるのです。
だって、同じ人件費をかけて、50円儲かる方がビジネスとして美味しいですから
人的リシースが限られているゲーム会社の場合、このような理由でサービス終了になる場合があります。
サービスの移管先が見つからないとき
それでも100円の投資で120円戻ってくるならば、20円も儲かっていることに違いはありません。
これはこれでビジネスとしての魅力はあると考えるゲーム会社もあります。ですから、20円しか儲からないけど、できればサービスを継続したいという会社も存在します。
しかし自社では20円程度の利益ではやっていけない、サービスが難しいとなった場合、とる方法が外部の別会社にサービスの移管先を探すという方法です。
大手ゲーム会社と中小ゲーム会社では人件費の単価が違います。
給料も違いますし、オフィスの賃貸料も違います。
かかるコストが違うのです。
大手なら1人の人件費が月100万円でも、中小ゲーム会社なら50万で済む場合もあります。給料は同じでもタワーマンションと、築50年のアパートでは家賃が違うというわけです。
よってゲーム運営先の移管の多くはコストを削減しながらゲーム運営を継続するための手段として使われます。
しかし、社外に移管したくても、移管できない場合もあります。
・移管先の技術スキルが低い場合
・移管することでコストがさらにかかってしまう場合
・受け入れるリスクが高く、受け入れ先が見つからない場合
ゲーム運営移管については例外もありますが、多くのケースはこれにあてはまります。
ゲームアプリサービス開始直後
致命的なバグやサーバー障害で運営が困難なとき
サービス直後に致命的なバグが見つかってしまい、それを改修することが困難と判断した場合、突然サービス終了になる場合はあります。
大手ゲーム会社では、ほぼ無いといっていいケースですが、ゲーム開発経験の少ない中小ゲーム会社ではありえる話です。
なぜなら致命的なバグを修正することが不可能だった場合や
修正するためにお金がかかりすぎてしまい、回収の見込みが立たない場合があるからです。
だったら、そのままサービスを終了してしまおうという判断は、ビジネスの世界では成立します。
サービスを続けても利益の見込みがないと判断したとき
事前登録キャンペーンでも、まったくユーザーが集まらず、配信しても話題にもならず、今後続けても赤字が膨れるだけで利益の見込みがないと判断した場合、赤字を止める目的でサービス終了する場合もあります。
ただし、大手ゲーム会社になるほど、配信数週間でサービス終了というわけにはいかない立場がありますので、最低でも3ヶ月程度はサービスをするケースが多いと思います。
その他
運営のゲーム会社がサービス続行が難しくなったとき
運営しているゲーム会社が財政的な問題や、構成する人員的な問題で物理的にサービス続行が難しくなった場合も、サービス終了になる場合があります。
会社が倒産してしまいサービス続行が困難になったようなイメージです。
他社の権利侵害などの問題が発見されたとき
ゲーム開発を丸投げ状態にしており、会社の責任者は把握していなかったとしても、実際に配信してみたら、ゲームで使われていた素材やシステムが他社の素材やプログラムをそのまま使っていた権利侵害が見つかったようなケースがこれにあたります。
契約に起因するサービス終了
レアケースですが、たとえばアニメ漫画版権など他社版権を許諾して使っているゲームの場合、版元との契約で問題が生じた場合はサービス終了をしなければならないことがあるかもしれません。
まとめ
最後にひとつだけ。
一見、人気があって、遊んでいるユーザーも多くて、売上もあがっていて、盛り上がっているゲームであってもサービス終了になる場合があります。
・遊んでいるユーザーが多いけど売上が上がらない
→運営コストを負担できない
・売上も上がっているけど版権許諾費の負担が重すぎて利益がでない
→版元は儲かるけどゲーム会社は儲からない
・もっとユーザーを獲得できるのに、ユーザー獲得にかけるお金がない。よってゲームとしてのポテンシャルはあるのに利益がでない
→資金力が弱いゲーム会社など
このようなことも実際にはありえるのです。
しかし、今回お話した内容は、いまお話しているくらいですから事前に予想がついて解決することができる事ばかりなのです。
つまりゲームのサービス終了の原因は事前に全部つぶすことができるというわけです。
それでもゲームがサービスしてしまうのは、見込みの甘さや、覚悟の無さなど、ゲーム会社側に何らかの原因があるわけです。
そして繰り返しになりますが
これらサービス終了の原因の多くは事前に予測でき、それに対応することができます。
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